ねこのひとりごと

自分の思いを言葉に乗せて

心に空いた穴

よく”心にぽっかり穴が空いた”という言葉を聞く。

多くの人は、その穴を埋めようと新しいことを始めたり、別の人に気持ちを向けようとしている。

 

私は『心に空いた穴は埋まらない』と思っている。

 

心に空いた穴

正確に言えば、心に空いた穴は、その原因となった人や出来事でしか埋まらない。

パズルのピースで考えてほしい。

一つのピースをなくしたとしよう。

もし、同じ形のものを見つけ、それで埋めようとしても絵柄が違えば完成しない。

心に空いた穴も同じではないだろうか。

だって、心に穴が空くほど、自分が大切にしていたことが他のもので代替できるはずもない。

 

傷は癒えるのか

怪我をしたとき、血が出る。それが、かさぶたになり、治癒する。

しかし、心の穴は治癒することはないと、私は思う。

ただ、怪我をしたときの血が止まり、かさぶたができているに過ぎない。

穴は空いている。だから、もし原因となる出来事に出会えば、その傷は痛む。

 

ただ、一つ言えることは、前を向こうとすることで相対的に小さくなることはある。

多くの経験をするということは、パズルのサイズを大きくしていくこと。

つまり、100ピースのうちの1ピースだった穴が、1000ピースのうちに1ピースになる。

穴は消えない。他の何でも埋まらない。

しかし、多くの経験をすることで、相対的に小さくすることができる。

 

だから、前向きな行動をすることは決して悪いことではない。

でも、勘違いしてはいけない。穴は消えないのだ。

それだけ、自分が大切にしてきたことなのだから、その穴も大切にしないと。

それはきっと辛い。苦しい。

けれど、そのなくした1ピースのおかげで新しい900ピースを見つけられたのかもしれない。

 

今、辛く、苦しい日々を過ごしている人。

あなたのその経験はきっと無駄じゃない。今は辛いだろうけど。

その経験で新しい、何かをきっと手に入れることができるはずなんだ。

だから、立ち直れないことや、未練も大切にしていこう。

そこでしか見つけられないピースがきっとある。

そして、前を向けない時間が長いほど、自分がそのピースを大切にできていた証拠。

一つのことをそれだけ、大切にできる人って本当に素敵ですよね。

 

 

 

こんなことを思いながら、今日も私は自分の心の穴と向き合い続ける…